令和の哲学者に聞く、本当の「食料危機」の正体

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コバシャールくんの宇宙人通信
令和の哲学者に聞く、本当の「食料危機」の正体

「食料危機」と聞くと、多くの人はスーパーから食べ物が消える光景を想像すると思います。でも今回、無肥料栽培家の岡本よりたかさんとお話をして、その捉え方自体がすでにズレていることに気づかされました。1年ぶりの対談、今回のテーマは「食料危機にどう備えるか」。結論から言うと、備え方の前に、まず考え方を変える必要がありそうです。


食料危機とは「モノがない」ことではない

よりたかさんはまず、食料危機の定義を問い直すところから話を始めてくれました。国レベルでは食料安全保障の話になりますが、個人レベルで見れば、お金がなくて食べ物が買えないことも、食の質が悪化することも、立派な食料危機だといいます。実際、添加物の多い加工食品ばかりを食べていた時期のよりたかさん自身が、体調を崩し、まさに個人的な食料危機の状態だったそうです。健康の危機と食料の危機はイコールなのだと。


さらに衝撃的だったのは、食べ物がたくさんあっても、流通が止まればそれは食料危機だという視点です。ガソリンや尿素水(アドブルー)が不足して物流が止まれば、どれだけ食べ物が存在していても人々の手には届きません。目の前にすぐ届く場所に食べ物があるかどうかが本質であり、自給率の数字そのものよりも重要だという指摘には、はっとさせられました。

肥料自給率はほぼゼロという現実

日本の窒素肥料は天然ガスと空気を高温高圧で反応させて作られますが、その原料となる天然ガスをほぼ持っていません。リン鉱石やカリ鉱石に至っては採掘量ゼロ。つまり日本の化学肥料はほとんど海外頼みだというのです。


一方で、土の中では菌根菌という微生物が、電気も使わずにわずかな水と太陽光だけで植物同士をネットワークのようにつなぎ、遠くにある養分を集めて届けてくれています。人間が肥料や農薬でこの自然のつながりを断ち切ってしまっていること自体が、実は食料危機の一因なのだと教えてもらいました。


揃った野菜は「弱い」野菜

流通の都合で形や大きさが揃った野菜が求められがちですが、遺伝子的に均一な作物は、一つが病気になれば全滅するリスクを抱えています。バラバラな見た目の野菜のほうが、多様性があり生き残る力が強いというのは、人間社会の多様性にも通じる話でとても納得しました。


AIに答えを求めすぎることの危うさAIに答えを求めすぎることの危うさ

印象的だったのが、AIに関する指摘です。AIは人間が積み上げてきたデータを整理しているに過ぎず、その中に偏りや間違いがあれば、それをそのまま正しい答えとして返してしまう可能性があります。何でもすぐに答えを求めるのではなく、まず自分の頭で考える習慣を取り戻すことが、いざという時の冷静な判断につながるという言葉は、食料の話を超えて響きました。

都会に住みながらできる備え方

では都会暮らしの人はどうすればいいのか。よりたかさんが勧めるのは、無肥料無農薬で作物を育てる知恵を身につけつつ、週末だけでも通える庭付きの家をもう一つ持つという二拠点の暮らし方です。収穫できなくても失敗してもいい、経験を積んでおくことが、本当に必要になった時の底力になるといいます。


まとめ

食料危機とは、目の前に食べ物がない状態のことです。だからこそ大切なのは、自給率の数字に一喜一憂することではなく、自分の置かれた場所でどんな選択肢があるかを自分の頭で考えること。今回紹介した書籍『考えるということ』も、まさにその思考力を取り戻すための一冊としておすすめです。


【日本の食が危ない】肥料・燃料・物流に依存した食卓の危うさ 岡本よりたか


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