普段から健康や微生物の話を気さくに教えてくれる杉本先生ですが、今回は私たちの生活にすっかり定着した「除菌・消毒」と健康の関係について、じっくり聞かせてもらいました。
特に手指消毒で使われるエタノールの問題や、菌との付き合い方について、とても興味深い話を教えてくれました。
EUが警告するエタノールの発がん性
最初に先生が話してくれたのは、エタノール消毒のニュースです。最近、ロイター通信で、EU(ヨーロッパ連合)がエタノールの発がん性について警告しているという報道がありました。
先生によると、エタノールは以前から発がん性が指摘されている物質のひとつだそうです。それなのに、今では多くの場所で手指消毒が当たり前になり、毎日のように使う人も少なくありません。
「みんな当たり前のように使っていますけど、皮膚から吸収されるものですからね」
と先生は教えてくれました。これまで強く消毒を推奨してきた側は、こうした問題にどう向き合うのか、という視点も大切だといいます。
「菌=悪者」という考え方の落とし穴
さらに先生は、「菌を全部悪者にしてしまうのは危ない考え方なんですよ」と教えてくれました。
私たちの体には、乳酸菌などの常在菌がたくさん存在しています。これらの菌は、外から入ってくるウイルスや細菌から体を守る役割を担っています。
ところが消毒や殺菌を過剰に行うと、悪い菌だけでなく、体を守ってくれる良い菌まで減ってしまう可能性があります。
「悪い菌だけを狙って消すなんて、そんな都合のいいことはできないんですよ」と先生はいいます。
つまり、菌を減らせば健康になるという単純な話ではなく、むしろ体の防御力を弱めてしまう可能性もあるというわけです。
病原体説と環境説という二つの視点
先生がよく教えてくれるのが、「病原体説」と「環境説」という二つの考え方です。 病気は病原体が原因だとするのが病原体説。 一方で、体の環境が弱っていることが問題だと考えるのが環境説です。
先生は分かりやすい例として、ゴキブリの話をしてくれました。
「ゴキブリが出たら殺虫剤で退治するのが病原体説。でも、そもそもゴキブリが出ない環境にするのが環境説なんですよ」
体の中でも同じことが起きていて、病原体を倒すことばかりに目を向けるより、負けない体を作ることが大事だと先生はいいます。
日本人が持っていた「菌と共に生きる文化」
この話になると、先生はいつも日本の食文化の話をしてくれます。 味噌、納豆、ぬか漬けなど、日本には発酵食品がたくさんあります。これらはすべて微生物の力を利用した食品で、日本人は昔から菌と共に暮らしてきました。
「昔の日本人は、ぬか漬けも味噌も家で作っていましたからね」と先生。 家庭で作ると薬品などは使えませんから、自然の発酵の力をそのまま活かすことになります。
一方で、現在は市販の食品が中心になり、保存性を高めるための加工が増えているのも事実です。 「本来の発酵文化から少し離れてきているのかもしれませんね」と先生は教えてくれました。
情報に流されず、自分で考えること
先生と話していていつも感じるのは、「自分で考えることが大事」という姿勢です。 テレビやニュースで言われていることでも、それが必ずしも正しいとは限りません。みんながやっていることでも、自分や家族にとって本当に必要なのかを考えることが大切だと先生はいいます。
「日本人はもともと菌と上手に付き合ってきた民族なんですよ」と先生。
菌を一方的に敵とみなすのではなく、味方として活かしていく。そんな昔ながらの知恵を見直すことが、これからの健康を考えるヒントになるのかもしれません。
【EUは禁止へ】その消毒が癌を招く? 体を蝕む科学的根拠 脳外科医 杉本一朗
手作り味噌を作ろう
EM life 宙・有限会社ソウ意匠
住所:岐阜県揖斐川町谷汲名礼1381−2
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